白生地のお話

皆さん、白生地と聞いて何を思い浮かべられるでしょうか?

白いカーテン・ホテルのテーブルクロス・白い下着のニット生地・ブラウスの白生地 等々 ほとんどの方々は「綿」素材のものを想像されるのではないでしょうか。今回は少々特別な「絹」 そう、着物用の白生地の話をさせていただきます。

では皆さん、もう一度着物用の白生地と聞いて何を思い浮かべられるでしょうか?先ず「ちりめん」ではないでしょうか?皆様のおっしゃる「ちりめん」はさてどの素材を指すことが多いのでしょうか。私共白生地問屋は良く悩まされます。おそらく「白生地なんて種類があってもせいぜい2・3種類くらいじゃない!!」なんていう先入観に支配されているのではないでしょうか。「ちりめん」と答えておけば近からず遠からずみたいな感覚なのではないでしょうか。

 

白生地の種類

「変り三越縮緬」「変り一越縮緬」「鬼古代縮緬」「本古代縮緬」「小浜縮緬」「東雲縮緬」「うずら縮緬」「変り古代縮緬」さらに「壁糸に代表される変り撚糸を使用した縮緬」 私共が「縮緬」と分類する生地だけでも9種類以上ございます。

さらに「紋意匠」「緞子」「綸子」「紗」「羽二重」「精華」「駒絽」「平絽」「塩瀬」「紋羽二重」「紬」 素材の分類だけでも10種類以上ございます。分類×10柄としても楽に100種類以上の白生地がございます。

 

白生地の産地

「長浜・滋賀県」「丹後・京都」「五泉・新潟」「小千谷・新潟」の4つが代表的な産地です。

 

白生地の産地

「長浜・滋賀県」

日本で最大の湖を持つ県 さらに湖北に位置する長浜は、伊吹山の伏流水が豊富に湧き出ております。この気候風土が独特の「浜ちりめん」のシボを生み出します。

白生地の産地別分類:「縮緬」全般

 


「丹後・京都府」

日本海に面し山々の谷間に集落が点在する土地 丹後は歴史的にも朝鮮半島より織物が伝わり、大陸の複雑な組織を使った織物が根付いた。機場が細かく点在した為、各機場でそれぞれの織物の専門が出来た。

白生地の産地別分類:「紋意匠」「緞子」「綸子」「紋紗」

 


「五泉・新潟県」

ちらも日本海に面し、越後平野に所在いたします。御存知のように新潟は山からの雪解け水が豊富で、美味しいお米を育む土地でございます。この町には「濡れ緯」を使った織物が根付きました。湿らせた絹糸を織り上げることで腰の強さと独特の光沢のある織物が生まれました。

白生地の産地別分類:「無地紗」「羽二重」「精華」「駒絽」「平絽」「塩瀬」

 


「小千谷・新潟県」

こちらは五泉よりさらに山のほうへ行ったところにございます。山間に棚田や錦鯉の養殖が有名です。今では違いますが、冬場は雪に閉ざされ、冬場農家の方や、雪で仕事が出来ない方々が内職で糸を紡ぎ、反物を織り上げてきた歴史のある土地。

白生地の産地別分類:「紬」

 


産地全般に当てはまる条件が2つあります。

1つ目はきれいな水が豊富にあること。

2つ目は適度な湿気が大気に含まれていること。

 着物の素材は絹です。水と湿度により織り上がりの光沢や着心地が大きく変わります。

例えば、中国はゴビ砂漠の辺りにまで絹織物の工場を持っていって下ります。やはり、気候は砂漠ですから空気は乾燥し、大気にも湿度は含まれません。当然織りあがる着物地も乾いた感じのある織物になるのは致し方ないことです。

日本には大島紬・黄八丈・結城紬・白山紬・上田紬 等々様々な織物の産地があります。1つ面白いのは、火山の在る土地の織物は先染織物が多く、その他の産地は草木など後染の織物が多いように思われます。それは、火山灰により土壌がアルカリ性になっております。そこで育った植物を食べて糸を吐いた蚕の糸は、少々後染めに不向きなようで、先染めの産地になっていったように思われます

 

資料提供:京都醍醐正